NPO最前線―岐路に立つアメリカ市民社会
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日本におけるNPO活動は萌芽期にあり、この社会的意義を強調する論調が目立つ。本著はNPO先進国であるアメリカにおけるNPOをめぐる諸問題を実態として明らかにしており、日本での活動の将来に関して有益な示唆を与えるという期待で読み始める。
アメリカにおけるNPOの危機は四つあるという。補助金の削減、市場競争への直面、有効性に関する疑問、信頼性の低下である。これに対して、いくつかの希望が示されるのだが、寄付の文化が異なる日本には適用しがたい部分が多く、理念や方向性として参考になる部分は実はあまり多くない。補助金が少なくなっても、NPOが独立して存在することはありえないのだから、政府と企業とNPOとの「パートナーシップ・モデル」を形成すべきであるというのが筆者の主張である。だが、そのビジョンについて多くを語っているわけではない。州レベルの「市民社会委員会」の設置や社会教育の重要性が挙げられているが、それがこれまで果たしてきたNPOの役割を超えるものなのかどうか、日本と異なる文化的背景を斟酌してもそのイメージは伝わってこない。
この著は実態を明らかにするもので理論を提示するものではないという前提にしても、NPOとは何かという入門的な解説やアメリカNPOに関する定量的なデータが半分近くを占めていて、本としては読み応えが無い。その種の情報が不要という人には値段は高いかもしれない。
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NPOを経営、経済的視点から論じ、今後のわが国のNPOの展開を示唆する本 |
当該書籍の作者であるレスターサラモン氏はアメリカのNPOの活動を政策、経済的視点から論じた者として有名であり、現在NPOの運営を行うものとして、是非読んでおきたい書籍であった。
現在私は社会福祉学における地域福祉政策を研究しているが、社会福祉学、社会学の視点と違い、経済および経営の視点が盛り込まれており、今後NPOの活動、運営をしていくに当たっての収益事業の重要さを改めて思い知らされた書籍である。
NPOは今後日本の社会の一翼を担う存在であることは確かであるが、それとともに民間企業との競争、それによる生き残りがどう展開されるか注目されるところではある。運営者にとって経営のあり方を改めて考えさせられることは確かである。


